スポーツ医科学をさらに究め、アスリートをサポートし、日本のスポーツを強くします。
帝京大学に2007年に設置された医療技術学部スポーツ医療学科の活動の一部を基盤とし、スポーツ医科学に関する研究の推進とアスリートサポート体制強化のために、2011年に本センターが新組織として設置されました。
スポーツでの傷害からの競技復帰や傷害の発生予防およびアスリートのパフォーマンス向上のためには、分野横断的で、多角的なサポートが必要不可欠であるという考えのもと、「メディカル」「サイエンス」「アスレティックトレーナー(AT)」「ストレングス&コンディショニング(S&C)」「栄養」「コーチ」の各分野の専門スタッフがチームを結成し、分野を超えた連携をしながらアスリートを強力にサポートする活動をしています。
また、スポーツ医科学の発展に貢献するために、アスリートサポートに関する実践的な研究活動を行い、その知見を広く公開していきます。
帝京大学スポーツ医科学センター センター長
河野 博隆
帝京大学スポーツ医科学センターは、「帝京大学の強化運動部を中心に、スポーツ医学的・スポーツ科学的サポートを行い、スポーツ傷害の予防と治療、パフォーマンスの向上に寄与しよう。さらに将来的にはその活動を学内外に拡大し、帝京大学として社会に貢献するような組織を設立しよう。」という構想が掲げられたことから始まりました。
我々はトップアスリートたちのパフォーマンスをさらに上げること、また運悪く怪我をしたアスリートには最短の期間で元通りに治すことを目標に、分野横断的で多角的なサポートをおこないます。各分野の専門スタッフがチームを結成し、分野を超えた連携をしながらアスリートをサポートすることで、効率的かつ効果的、そして実証的に課題を解決することが、我々の特徴であり強みでもあります。
日本のスポーツ医科学は、スポーツ医科学の研究の先進国と言えるアメリカと比べると、まだまだ発展途上と言えます。
帝京大学の選手だけではなく、日本の選手を強くすること、日本のスポーツ医科学の発展及び日本のスポーツを強くすることを目指して、いい組織づくり、いい人づくりをし、この組織をその為の舞台にしていきたいと考えています。
日本初の充実したアスリートトータルサポートサービス「T.A.S.K」を開発
スポーツ傷害からの競技復帰や傷害の発生予防およびアスリートのパフォーマンス向上のためには、分野横断的で、多角的なサポートが必要不可欠であるという考えのもと、T.A.S.K:Teikyo Athlete Support Knowledgeというサービスブランドを開発しました。T.A.S.Kでは各分野の専門スタッフがチームを結成し、分野を超えた連携をしながら、スポーツ傷害に悩むアスリートやさらなるパフォーマンス向上を狙うアスリートの課題を抽出し、克服に導きます。
現在は、スポーツ傷害やアスリートに関する疾患の治療・研究を進める「メディカル」、競技復帰やパフォーマンス向上に向けた取り組みを競技現場でアスリートとともに実践していく「アスレティックトレーナー(AT)」「ストレングス&コンディショニング(S&C)」、バイオメカニクスや運動生理学に沿って測定・研究をおこなう「サイエンス」、競技特性、コンディション、身体作りの目標に応じて怪我や病気をしない栄養管理をおこなう「栄養」、専門的な知識を活用し、アスリートサポートを実現する「コーチ」の6つの分野を設置しています。
6つの分野が連携しトータルサポートサービスを実現し、効果を最大化しています。
「T.A.S.K」 にはアスリートのニーズに対応する3つの『T.A.S.Kエントリーサービス』と2つの『T.A.S.Kサポートプログラム』が存在し、これらを有機的なスキームでつなげています。
T.A.S.Kエントリーサービスは、直接の来所や他施設からの紹介によってT.A.S.Kサービスに触れていただくきっかけになります。 T.A.S.Kエントリーサービスは3つ。スポーツ傷害を診療する「スポーツ医科学クリニック」、アスレティックトレーナーとストレングス&コンディショニングが競技復帰とパフォーマンス向上に必要な取り組みを一括かつ一貫して支援する「TASK Performance」 、そしてテクノロジーを活用したエビデンスに基づく傷害復帰指標で動きの安全性を評価する「MPI(Movement Performance Institute)」です。
アスリートはエントリーサービスのみの利用も可能ですが、アスリートの希望により「T.A.S.Kサポートプログラム」に移行することもでき、その場合エントリーサービスから導き出された各種データは、そのまま活用されます。
T.A.S.Kサポートプログラムには『多分野サポート』と『単一分野サポート』の2つのサポートスタイルがあり、アスリートのニーズを聞き取るカウンセリングを実施し、そこから抽出されたニーズによって、2つのサポートスタイルのどちらで対応するかを決定します。これらのサービスは、アスリートの置かれた状況や個別ニーズへ柔軟性を持って対応します。
課題を解決するために必要な多分野の専門スタッフによる「T.A.S.Kカンファレンス」を行い、そのアスリートに必要なサポート内容を多角的に設計し、サポートを提案・実施します。
その専門分野に特化したサポート内容を設計し、提案します。必要に応じて、他の専門分野へのカウンセリングや多分野サポートへの移行を提案することもあります。
医療機関・トレーニング&リカバリー施設・研究機関が融合した充実した施設によって、スポーツでの傷害からの競技復帰やパフォーマンス向上に必要なサポートを一括かつ一貫して提供することを可能にしています。
医療機関としては超音波(エコー)診断機器、単純X線、MRIなどの画像診断機器を備えており、適切な診断を下すことが可能です。また、スポーツ傷害の急性期治療に有効な高気圧酸素治療を8人同時に実施できる機器をスポーツ傷害専門クリニックとしては国内で唯一設置しています。
トレーニング施設には筋力・持久力などを強化するために必要な機器があり、リカバリー施設として食堂、プールや各種物理療法機器を備えています。研究機関として、バイオメカニクスを活用した動作分析、運動生理学を活用した持久力の測定などを専門的に測定できる機器と設備を備えています。
近年スポーツ傷害の急性期治療においてその有効性が注目されている高気圧酸素治療を同時に8人まで行うことができる治療室。スポーツ傷害に特化した多人数同時の高気圧酸素治療を行っている日本唯一の施設です。
米国LAで多くのアスリートやチームに活用されている動作分析プログラムで、エビデンスに基づく傷害復帰指標で動きの安全性を評価します。カメラや映像を使って動作分析を行い、その結果を競技復帰に向けた取り組みに活用します。
①通常気圧で酸素濃度の調節を行い低酸素の環境をつくること、②温度と湿度をコントロールすることにより、高地環境(0〜4500m)や暑熱環境でのトレーニングが可能です。
同時に50名程度が筋力トレーニング可能な広さを備え、機能的な体作りに活用しやすいフリーウエイトの機器が充実。空気圧式のマシンを多数配置し、スピード・パワーを養成することができる環境も整えています。また、競技復帰に向けたリハビリにも活用できる有酸素トレーニングの機器も充実しています。
翌日のパフォーマンス維持に必要不可欠なリカバリーの1つの手法として導入したウォーターリカバリー。プール、人工炭酸泉、サウナを取り入れ、選手の多様な目的に応えられるよう環境を整えました。
簡易的なフリーウエイトスペースに加え、人工芝でのランニング、野球、ゴルフなどのトレーニングも行える広いスペースがあります。人工芝のスペースが広いため、実技の多いセミナー会場としても使用することができます。